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まるまるの毬 [活字中毒のトモ]


まるまるの毬 (講談社文庫)

まるまるの毬 (講談社文庫)

  • 作者: 西條奈加
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/07/14
  • メディア: Kindle版


婿どの相逢席」が面白かったので、他にも西條さんの作品を読んでみたくなり
Amazon で探したところ、こちらが Kindle Unlimited に含まれていたので
ダウンロードして読んでみました。この作品も、面白かったです。

親子三代で菓子を商う「南星屋」(なんぼしや)は、売り切れご免の繁盛店。
お昼の鐘が鳴る頃開店し、
なんと 8 つの鐘が鳴る頃(14 時)には商品が完売してしまいます。
菓子職人の治兵衛(じへえ)は若い頃に全国を旅しながら修業し
72 巻もの菓子帳を書いており、その中から季節ごとに 10 品程度を見繕い、
仕入れた材料とその日の天気、井戸の水、加えて治兵衛の気まぐれにより
毎日菓子を 2 品、庶民にも手の届く価格で提供しており
それらはどれも非常に美味しいので、店の人気が衰えることはありませんでした。
ですが治兵衛は自らの出自に秘密を持っており、
そのことが折に触れて、彼や家族を苦しめます。

治兵衛は他人に迷惑をかけないように
自分は表から一歩退いたところに立って、菓子を作ることだけを頼りに
ひっそりと生きています。それなのに、才能のない人たちが
彼の出自や才能を妬んで、治兵衛を不幸にしようとしたり
そうは意図していなくても、彼を生きにくい立場に追いやったりします。
治兵衛本人だけではなく、家族もとばっちりを被って
大変な目に遭うのですが、みんなそのことをあまり大変だと思わずに
前向きに生きていく姿が印象的です。

孫のお君の縁談は、壊れたままなんでしょうかね。
私はそのことが気がかりでたまらず、読了した後も
この後河路がお君を迎えに来てくれる章がないのはどうしてなんだろうと
歯がゆく思っていたのですが、
なんと「亥子ころころ」という続編があったのですね!
これは読まないと!



まるまるの毬 (講談社文庫)

まるまるの毬 (講談社文庫)

  • 作者: 西條奈加
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/07/14
  • メディア: Kindle版



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