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ティラノ部長 [活字中毒のトモ]


ティラノ部長 (コルクスタジオ)

ティラノ部長 (コルクスタジオ)

  • 出版社/メーカー: コルク
  • 発売日: 2021/10/04
  • メディア: Kindle版


沖縄タイムスの書評コーナーで紹介されていて、面白そうだったので読んでみました。
普通の単行本かと思ったのですが、実際に読んでみると 4 コマ漫画に近かったです。

主人公のティラノ部長は 54 歳。
バブル期に新卒で入社した白亜物産で 32 年間ずっと働き続けてきました。
若い頃は元気さえあればなんでも乗り越えられたはずでしたが
最近は部下との関係もうまく築けず、私生活では妻との離婚も経験しています。

時代についていけず、取り残された感を味わいながらも
部下には優しくしなくちゃとか、
朝の占いを気にしてくよくよしたりとかする様子を読んで
うー-ん・・・なかなか大変だなと思いました。
ですが、奥さんと離婚したいきさつを読むと、同情もできないというか
こういうおじさん、周りにいたらきっと面倒くさい
アメフト部出身の体育会系営業マンのなれのはてとか
扱うのはとても面倒で、半径 100m 以内には近づいてほしくありません。
本書でティラノ部長は誕生日を迎えて 55 歳になります。
55 歳・・・夫と同じ歳です。
確かにそのくらいの歳だったら、バブルの恩恵をちょっとくらいは受けたでしょうし
体育会系の部活をやっていたら、大卒男性は就職に困らなかったと聞いています。
だけど、スマホを上手に扱えないなんてことはないし
親の死に目より仕事を優先するような人ではないな・・・と考えたら
ティラノ部長って本当はもう少し歳が上なのかも。もっとおじさんのイメージです。

原作者の鈴木 おさむさんは 1972 年生まれ、
作画を担当したしたら 領さんは 1988 年生まれなので
ティラノ部長よりはちょっと(だいぶ?)年下の世代です。
なんでこんなお話を書きたいと思ったのか、そちらの方が気になりました。
おじさんの悲哀を書いて、ディスりたかったのか、なぐさめたかったのか
どちらでしょう?どっちでもないのか?



ティラノ部長 (コルクスタジオ)

ティラノ部長 (コルクスタジオ)

  • 出版社/メーカー: コルク
  • 発売日: 2021/10/04
  • メディア: Kindle版



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養老先生、病院へ行く [活字中毒のトモ]


養老先生、病院へ行く

養老先生、病院へ行く

  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2021/04/08
  • メディア: 単行本


養老先生の「ヒトの壁」で本書が紹介されていて、
面白そうだったので読んでみました。
ヒトの壁」を読んだときにも思いましたが
私も病院嫌いで、よほどのことがなければ病院へ行かないので
養老先生の病院との距離の取り方に親近感を抱きました。

とはいえ、養老先生はやはり、東大卒の医師なのです。
私とは違って「ちょっと体調が悪いかな」と思ったら、教え子に検査を依頼できてしまう。
本書は養老先生と、先生が検査を依頼した中川医師がリレー形式で
養老先生が入院した当時の様子を振り返る内容となっています。
当時の病状については「ヒトの壁」にも詳しく書かれていたので
そこまで新たな驚きはありませんでしたが
養老先生が検査の結果検出されたピロリ菌を除菌しなかったり
ポリープを放置したりするのに、白内障の手術はするのを目の当たりにして
中川医師が不思議がっている様子が面白かったです。
「え、ピロリ菌は放っておくのに、白内障治すの?」みたいな感じで
養老先生の病院嫌いの芯の部分をつかみかねていらっしゃるのが
逆に「ああ、本当に養老先生の教え子なんだ」と思いました。
なんというか、不思議がっている様子からも、養老先生への敬愛があふれています。
こんな教え子がいたら、そりゃ迷わず彼に検査を依頼しますわ。

個人的には、どうして養老先生がピロリ菌を除菌しないのかも
白内障の手術は受けるのかも、分かる気がします。
結局、共存できているものは共存させて、無駄に排除したりしないけれど
便利になるものは受け入れよう、というスタンスなのだと思います。
それに家族とそこそこ楽しく暮らしているから、
医療を一切拒否するような、自殺まがいのこともしなくてもいいですし。

医師が 2 人で文章を書いているのに、めちゃくちゃ分かりやすい本でした。
心臓について詳しく書かれていたので、何度か読み返すといいと思いました。
紙の単行本なので、どうしようか迷いましたが、本棚に置いておくことにします。



養老先生、病院へ行く

養老先生、病院へ行く

  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2021/04/08
  • メディア: 単行本



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74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる [活字中毒のトモ]


74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる

74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる

  • 作者: ミツコ
  • 出版社/メーカー: すばる舎
  • 発売日: 2020/11/07
  • メディア: Kindle版


牧師のミツコさんの著書です。
なにかの記事でミツコさんのことを知り、お金のない老後もいけるかもしれない
と思っていたら、Kindle Unlimited で本書を薦められたので、読んでみました。

ミツコさんは 1946 年生まれです。牧師の家の 5 番目の子どもとして生まれ
自身も牧師を目指して神学校で勉強、そこで牧師の夫と出会い結婚しました。
その後、夫婦二人三脚で 46 年間教会を経営、
糖尿病で夫が亡くなるまで介護も担ったそうです。
現在は、独りで悠々と公営住宅での暮らしを楽しんでおられるようです。

ミツコさんの現在の主な収入源は、月 7 万円の年金。
プラス週 3 回、シルバー人材センターから派遣され家政婦をされているようです。
そうして得た収入から教会への献金もされるとのこと。
どうしてそんな生活が可能なんだろう?と不思議に思いますが
ミツコさんいわく
「親も牧師だったから貧乏だった。お金がないのには慣れている。
それに、必要があれば神様が与えてくださる」そうで。本当に?

私は、老後の最大の課題は家だと思っていて
安定して住居を確保できれば、あとは何とかなると目論んでいます。
ミツコさんのように、公営住宅にずっと住めるのであれば
有難い話です。そして月 7 万円でなんとか暮らせるようになれば
私の老後も大丈夫かもしれない。少し安心できました。

そしてミツコさんのすごいところは、いくつになっても忙しくして
人に囲まれて暮らすのを苦だと思っていないところです。
毎週水曜には朝 9 時半までに、約 10 人分のおかずを作って
礼拝後に家族と食卓を囲むとか、どう考えても重労働なので
私ならやりたいと思わないです。
ミツコさんは、そういうことを、文句も言わずやっておられる。
手間や労力を惜しまない方です。
きっとこれが健康に独りで生きていける秘訣ですね。



74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる

74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる

  • 作者: ミツコ
  • 出版社/メーカー: すばる舎
  • 発売日: 2020/11/07
  • メディア: Kindle版



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