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養老先生、病院へ行く [活字中毒のトモ]


養老先生、病院へ行く

養老先生、病院へ行く

  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2021/04/08
  • メディア: 単行本


養老先生の「ヒトの壁」で本書が紹介されていて、
面白そうだったので読んでみました。
ヒトの壁」を読んだときにも思いましたが
私も病院嫌いで、よほどのことがなければ病院へ行かないので
養老先生の病院との距離の取り方に親近感を抱きました。

とはいえ、養老先生はやはり、東大卒の医師なのです。
私とは違って「ちょっと体調が悪いかな」と思ったら、教え子に検査を依頼できてしまう。
本書は養老先生と、先生が検査を依頼した中川医師がリレー形式で
養老先生が入院した当時の様子を振り返る内容となっています。
当時の病状については「ヒトの壁」にも詳しく書かれていたので
そこまで新たな驚きはありませんでしたが
養老先生が検査の結果検出されたピロリ菌を除菌しなかったり
ポリープを放置したりするのに、白内障の手術はするのを目の当たりにして
中川医師が不思議がっている様子が面白かったです。
「え、ピロリ菌は放っておくのに、白内障治すの?」みたいな感じで
養老先生の病院嫌いの芯の部分をつかみかねていらっしゃるのが
逆に「ああ、本当に養老先生の教え子なんだ」と思いました。
なんというか、不思議がっている様子からも、養老先生への敬愛があふれています。
こんな教え子がいたら、そりゃ迷わず彼に検査を依頼しますわ。

個人的には、どうして養老先生がピロリ菌を除菌しないのかも
白内障の手術は受けるのかも、分かる気がします。
結局、共存できているものは共存させて、無駄に排除したりしないけれど
便利になるものは受け入れよう、というスタンスなのだと思います。
それに家族とそこそこ楽しく暮らしているから、
医療を一切拒否するような、自殺まがいのこともしなくてもいいですし。

医師が 2 人で文章を書いているのに、めちゃくちゃ分かりやすい本でした。
心臓について詳しく書かれていたので、何度か読み返すといいと思いました。
紙の単行本なので、どうしようか迷いましたが、本棚に置いておくことにします。



養老先生、病院へ行く

養老先生、病院へ行く

  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2021/04/08
  • メディア: 単行本



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