わたぶんぶん わたしの「料理沖縄物語」 [活字中毒のトモ]
「50歳からのごきげんひとり旅」で山脇 りこさんが
沖縄旅行に持っていくといい本として挙げておられたうちの 1 冊です。
タイトルからして美味しそうな本ということで、
食いしん坊な私は購入して読んでみたのですが
ごはんの本というよりは、作者が沖縄料理を通して
自分のルーツを手繰り寄せていくお話でした。
作者はノンフィクション作家の与那原 恵さん。
東京生まれですが、ご両親が沖縄出身の方です。
東京生まれの与那原さんは、ご両親を若くして亡くして
その後は特に沖縄とは熱心にかかわることなく生きていたようですが
ある日、知人に教えられて訪れた沖縄料理屋で
彼女のお母さんをよく知っているという店主と出会います。
そのときから彼女は、切れかけていた沖縄とのつながりを結び直すように
たくさんの沖縄ゆかりの人たちと出会い、
彼女なりの沖縄を語っていらっしゃいます。
こういう東京のど真ん中で知り合いの知り合いに遭遇する感じ
うちなーんちゅだなあと思いました。
それどころか、与那原さんは有名な画家や
超老舗の沖縄料理屋の創業者ともお知り合いなのです。
長らく会っておらず、縁が切れたも同然と言いながらも
亡きお母様のお名前を出せば、あっさり対面できてしまう太いつながり。
本当にうちなーんちゅだなあ。
なんというか、ご先祖様が静かに見守っていてくださる感があります。
こんな感じで、ご飯というよりは、生まれ故郷を離れても
どこかでつながっているうちなーんちゅの縁に恐ろしくなりながら読みました。
あ、みぬだるは黒ゴマペーストを使うと簡単に作れるというのは初耳でした。
今度作ってみよう。