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草原の椅子(上) [活字中毒のトモ]


草原の椅子〈上〉 (新潮文庫)

草原の椅子〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 宮本 輝
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 文庫


宮本輝さんの著書です。
旅行中に、飛行機や電車の中で読むのにかなりお奨めです。

主人公の遠間憲太郎は、カメラ機器メーカーの営業本部に勤務する中年サラリーマン。
ある時、旅先のフンザで出会った老人に、

「あなたの瞳の中には、三つの青い星がある。
ひとつは潔癖であり、もうひとつは淫蕩であり、
さらにもうひとつは使命である」

と言われます。

この言葉、一体何を示しているのか・・・?
不思議な言葉を気にしながら、憲太郎の日常は動いてゆきます。

上巻では、数々の魅力的な人物が登場し、
物語を混沌とさせてゆきます。

憲太郎の親友となった、カメラ販売店社長の富樫さん
陶磁器屋の美人店長、篠原さん
心にしっかりとした芯を持つ、憲太郎の長女、弥生さん
いきなり道路に飛び出して車を停める、女子大生の知作(ちさ)
印刷会社に勤めながら、写真を撮り続ける鍵山青年
母親にネグレクトされて育った子ども、喜多川圭輔

他にも、たくさんの人物が憲太郎の前に現れ、
彼と関っていきます。
さて、憲太郎の使命とは一体・・・?

最初の方は、場面がぱらぱら切り替わる割に、話が一向に進まなくて
少しもどかしい感じもしましたが、
気がつくと、1 冊読み終えていました。
そして、この後お話にどのような落ちがつくのか全く読めなくて
早く下巻を読みたい気分になりました。

あと、舞台が阪神淡路大震災から数年たった西宮近辺ということで
私としては、憲太郎の足取りを頭の中で描くのが簡単でおもしろかったです。
関西の土地勘といい、富樫氏の大阪弁といい、
宮本さん上手やなぁ・・・と思って Wikipedia を引いてみたら、
宮本輝さんてご出身が神戸でいらっしゃるのですね。
なるほど。道理で。


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