アジアの隼(下) [活字中毒のトモ]
何とか苦労の末、長債銀のハノイ営業所を開設した真理戸さん。
ところが、事務所開設後まもなく、アジア通貨危機が起こり
ハノイ営業所どころか、長債銀本体の存続も危ぶまれるほど。
アジア全土を巻き込んだ不況のうねりに、真理戸さんは翻弄されてゆきます。
翻弄されていたのは、真理戸さんだけではありませんでした。
ペレグリン証券は、アジア通貨危機前年には絶好調だったのに、
アジア通貨危機の影響をまともにくらい、奈落の底へ突き落とされます。
下巻は上巻と比べて、話が急展開するので
ジェットコースターに乗ったような感覚で読み進めることができます。
話の続きを、どんどん知りたくなって止まらなくなる感じ。
主要な人物には、それぞれふさわしい結末が用意されていて
読んでいるこちらはスカッとします。
と同時に、そこらへんが、やっぱりフィクションなんだな・・・とも思ったり。
正攻法でビジネスを進めていく真理戸さん。
裏金を使って汚いやり方で真理戸さんを追い詰めるシン。
果たして、彼らにどのような結末が待っているでしょうか。
入札に負けて、飲んだくれている真理戸さんたちが
リアルに「サラリーマン」って感じでおもしろかったです。
なんか、本当にあんな感じで飲んでいる人たちいそうで。
上巻の感想でも似たようなこと書きましたが、
どこまでもサラリーマンが忠実に再現されています。
そして、ベトナムのビジネスの泥臭さにいらいらしていた日本人の駐在員たちが
帰国後みんなでベトナムを懐かしがる、というシーンは興味深かったです。
ベトナムって、どんなところなんだ?
興味はあるけど・・・観光目的ではあまり足を踏み入れたくない印象ですね。
仕事で行く機会とかあったら、行ってみたいかも。
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以前人から薦められて読んだことがあります。
ベトナムって経済発展で注目されていますが、
結構汚職がひどいというのがよくわかった作品です。
こんな小説は元業界で働いていた人じゃないと書けないと思ったら、
やっぱりそうでしたね。
by Sanchai (2010-08-15 13:04)
>Sanchai さん
nice! & コメントをありがとうございました。
Sanchai さんの書評大好きなんです。まさかコメントをいただけるとは。
カンゲキです。
>こんな小説は元業界で働いていた人じゃないと書けないと思ったら、
やっぱりそうでしたね。
ええ、実に詳細かつぶれない情報で、本物のすごさを感じましたです。
こういう情報って、なかなか外には正確な情報が出てきませんから、非常に参考になりました。
by うしこ (2010-08-15 18:35)