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股間若衆―男の裸は芸術か [活字中毒のトモ]


股間若衆―男の裸は芸術か

股間若衆―男の裸は芸術か

  • 作者: 木下 直之
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/03/01
  • メディア: 単行本


今年出版された「せいきの大問題: 新股間若衆」の書評が新聞に出ていて
面白そうだったので、調子に乗って前作のこちらから読んでみました。
最初から読まないと、面白さが半減するかもしれないですし。

Amazon から届いたこの本は、ハードカバーゆえに重たくて
帯にはイタリア語翻訳家の田丸 公美子さんが
「本邦初、前代未聞の研究書」とコメントを寄せています。
研究書・・・硬い内容なのかしら・・・と勝手に想像して本書を開きましたが
コメントを寄せていらっしゃるのが シモネッタの田丸さん であったことに、
もっと早く気付くべきでした。
この本、お堅い研究書などでは全くなく、なんというか・・・
芸術作品として世に出ている裸について、ものすごい興味を持って
しょうもないことにこだわりながら、あれこれ調べ、実物を見て、文章でまとめたものです。
もともとは芸術新潮に掲載されていた作品のようです。

股間若衆・・・言うまでもなく「古今和歌集」をもじったタイトルですが
この言葉は何度も書かれるうちに、いつしか
街のさまざまなところに一糸まとわぬ姿で立っている銅像を示す言葉に変わったようです。
そして巻末には、いくつもの股間若衆を訪ねて散策する
「股間巡礼」のコースまで紹介されている始末。

また文章が一見真面目な論文のようなのですが、細かく読んでみるとかなり面白いのです。
本書の初めの方に、銅像の股間を隠す目的でついている木の葉についての
「どこから落ちてきたのかも知れず、何かわけの分らぬ奇蹟によってくっついている」
という別の本からの引用を読んだ時に、吹きそうになりました。
たくさんの写真や絵を掲載し、明治以降の美術の変遷が説明されているにもかかわらず
その説明はどこかコミカルで、くすりと笑わずにはいられないのです。
さらに不思議なことに、掲載されている画像の多くが全裸であるのに
通勤のバスの中で読んでも、それほど恥ずかしくはないのです。芸術作品すごいです。
これなら次作の「せいきの大問題: 新股間若衆」も
通勤中に読んでも大丈夫そうです。さっそく続きを読みます。



股間若衆―男の裸は芸術か

股間若衆―男の裸は芸術か

  • 作者: 木下 直之
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/03/01
  • メディア: 単行本




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コメント 2

ted

男の裸は芸術か?

股間に凸がある時点で芸術にはならないと思います。
女性の滑らかな曲線に対して不格好すぎると感じます。
どうでも良い話なんですが、男女の凸凹には芸術から
痴話喧嘩まで、いろいろな要素があるものですね。
by ted (2017-08-02 09:05) 

うしこ

>ted さん
ご来訪&コメントありがとうございます。
芸術作品となるには、やっぱり奇跡的にくっついている葉っぱや布で覆わないとダメですかね。
by うしこ (2017-08-07 21:35) 

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