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公務員、辞めたらどうする? [活字中毒のトモ]


公務員、辞めたらどうする? (PHP新書)

公務員、辞めたらどうする? (PHP新書)

  • 作者: 山本 直治
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2006/12/16
  • メディア: 新書


*読み応え: 40 点
*コストパフォーマンス: 60 点


人材コンサルタントに騙されるな! (PHP新書 472)
の著者、山本 直治さんの著書。
ご自身の、公務員から人材コンサルタントに転職された経験や
過去に転職した公務員の実例を紹介し
これから転職しようとしている公務員にエールを送った本。
民間企業への転職が向く人、向かない人の分析や
民間企業に転職した後に味わう大変さなども書かれています。

公務員の転職というのは、思ったより大変なのですね。
ですが、税金をたくさん使っている公務員を削減するには
民間の受け皿を増やすことが大切、という案には
どうも賛成しかねます。
先に受け皿を増やすことが、民間企業にとってどういうメリットになるのか
全く分からないからです。
民間企業にしてみれば、どうしてそこまで自らを犠牲にして
公務員の転職を受け入れなければならないのか?
犠牲だと思ってしまうところが問題なんですかね。

また、「天下り」や「留学組の早期退職」についても
内情の説明と対応策がいくつか書かれていますが、
キャリア組の早期退職ー>天下りが給与や人事の関係上折込済みというのであれば
この制度はなかなか変わらないだろうし
わざわざ留学して何かを熱心に学び、
外側から自分の仕事を見つめなおす機会ができれば
それを活かして別の仕事をしたくなるのは仕方のないことでは?
制度を変えても、公務員の仕事に魅力がないのでは
これはいかんともしがたいと思います。

人材コンサルタントに騙されるな!は、客観的な分析が主で
読みやすかったのですが、
本書はなんとなく、「公務員の言い訳」っぽい感じがして
好きになれませんでした。


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コメント 2

山本

うしこ様

このたびは拙著を2冊ともレビューいただきありがとうございました。
ただ、「公務員、辞めたらどうする?」が

>本書はなんとなく、「公務員の言い訳」っぽい感じがして好きになれませんでした。

というご感想だったのは残念です。もっとも、私自身、「公務員の言い分」と「お役所批判」の考えはどこまで言っても平行線、分かり合えないという気もしていますが。

とはいえ、官も民もどちらもなんですが、こうしたことの原因には「バカの壁」があるかもしれないということは、常に意識しなければいけないと思っています。つまり、「自分に都合の悪い情報はシャットアウトして聞かない」ということです。

グータラ公務員が現に相当数いることも事実ですが、マスメディアは権力批判の邪魔になるからと、都合の悪い「お役所の悲惨な実態」を報道しないし、筋違いのお役所バッシングを平気で続けている実態もあります。
まずはフェアに、すべての情報を出し切って、議論すべきだと思います。

実は、「公務員の言い訳」度がさらにアップした本と思われるかもしれませんが、最近『実は悲惨な公務員』という本を出しました。
http://www.amazon.co.jp/aa/dp/4334034438
アマゾンのレビューをご覧いただければ、見事に評価が割れていますが、これこそ「バカの壁」の存在証明ではないかと私は考えています。

『公務員、辞めたらどうする?』の読後で、失望感があるなかでお買い上げ・お読みいただくのは難しいとは思いますが、こういう主張もあるということは承知していただければ幸いです。
by 山本 (2008-04-07 16:41) 

うしこ

>山本さま
まさか筆者ご本人からコメントをいただけるとは!
どうもありがとうございます。

この問題は「バカの壁」で片付けてしまうには勿体無い気がしますよ。
「バカの壁」と言ってしまったら、永久に解決できないでしょうから。
私は、官・民どちらも余裕がないだけだと思っています。
赤字すれすれ(もしくは赤字確定)のところで、ギリギリの人材で
商売している民間企業にしてみれば
「もっと公務員からの転職者を受け入れてよ」
といきなり言われたって、なかなかその気になれないのが
現実だと思うのです。

じゃあどうすれば?

求人が多い職種に、スキルを持つ求職者が応募した場合のみ
受け入れが容易なのではないでしょうか。
留学帰りの公務員が転職できるのは、彼らのスキルを民間企業も認めているからです。

ご本人直々のご紹介とあらば、最新刊を読まないわけにはいきませんね。
『実は悲惨な公務員』、是非読んでみようと思います。
by うしこ (2008-04-08 05:40) 

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