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八百長恐慌! 「サブプライム=国際ネズミ講」を仕掛けたのは誰だ [活字中毒のトモ]


八百長恐慌! 「サブプライム=国際ネズミ講」を仕掛けたのは誰だ

八百長恐慌! 「サブプライム=国際ネズミ講」を仕掛けたのは誰だ

  • 作者: 鬼塚 英昭
  • 出版社/メーカー: 成甲書房
  • 発売日: 2008/11/08
  • メディア: 単行本


*読み応え: 80 点
*コストパフォーマンス: 50 点

ノンフィクション作家、鬼塚英昭さんの著書。

現在、サブプライムローンの破綻をきっかけに世界経済がとんでもないことになっていますが
この世界不況は、欧米の金融機関がでっち上げた八百長の不況だった!

突然聞くと「はぁ?」と聞き返したくなるようなことが書かれた本です・・・がなかなかに興味深い。

欧米の大手金融機関がみんなグルになって、サブプライムローンという
「背中の下のあたりに AAA(トリプルエー)の刺青を彫った身持ちの悪い売春婦」
(つまり、よさそげな金融商品に見えるけれども、
そのうち破綻することが分かりきった粗悪品)
を世界各国に売りつけ、巨額の利益を手にした後
その利益を裏金として、
タックスヘイブンであるケイマン諸島などにある怪しげな会社に隠し
自身は莫大な損益を被ったそぶりを見せて、世界を恐慌に導いた・・・というのが本書の趣旨。

こういう経済評論本では、よく
「とある信頼できる情報筋から得た極秘情報」が紹介されますが
本書のおもしろいところは、そういうヘンな情報が一切ないところです。
著者の鬼塚さんは、新聞や雑誌のスクラップブックを作ったり、
膨大な量の本を読んだりしながら、情報を丹念に読み解き
独自の見解を導いていきます。
ですので、引用された文章のソースは全て明らかにされています。

表に出る情報だけで、これほどまでにはっきりと
経済の裏を読み取ることができるなんて、本当にビックリです。
私も、新聞から記事を切り取ったり、ネットで複数の新聞サイトを読みながら
政治や経済の裏を考えるのが好きですが、
これほどまでに、集めた情報の山からしっかりと答えを導くのは
かなり難しい作業なので、私には到底無理です。
手間隙もかかるし、センスも必要。
それを鬼塚さんは、きちんと書籍を発行できるほどに
完璧にやっておられる。
本当に、すごいわ。弟子にしてほしい。

さて、その膨大な情報から彼が導き出した結論ですが
計画された恐慌により、近い将来アメリカ国家は破綻するそうです。
世界では、株や商品の価格を決定する市場が消え
代わりに、それらの価格を決定する権力組織が出来上がります。
つまり、自由市場や自由貿易、グローバル経済は破綻し、
統制資本主義の時代がやってきます。
そしてそのうち、国家そのものも消滅してしまうと。

これが正しければ、この先かなり恐ろしい未来が待っていそうですね。
ううむ・・・どこに逃げても、ヤバそうな予感。
とりあえず、本書で奨められたとおり
ゴールドマン・サックス社の動向に注目してみます。
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