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センセイの鞄 [活字中毒のトモ]


センセイの鞄 (文春文庫)

センセイの鞄 (文春文庫)

  • 作者: 川上 弘美
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/09/03
  • メディア: 文庫


同僚の M さんが貸してくれました。
M さん、いつも素敵な本を貸してくれてありがとう。

大町 月子は、37 歳 OL。
ある日、なじみの居酒屋で隣り合わせになった老人の注文する肴が、
自分の好みに合っていることに気づきます。
彼は松本 春綱。なんと月子の高校時代の恩師でした。
とはいっても、月子は高校時代、彼の授業をほとんど聞いていなかったのですが。
それ以来、センセイと酒を酌み交わすようになった月子は、
徐々に先生に惹かれてゆきます。

あらすじを書いてみると、げっと思うのですが、
読了後は涙、涙でした。
月子さんがあまりにもセンセイを好きすぎで。
なんというか、月子さんは妙に構える癖があって、同年代の男性に
上手く甘えることができない人なのです。
それが、30 以上年の離れたセンセイであれば、思い切り甘えられて
雷が怖いことも隠さなくていいし、女性の元同僚と話し込むセンセイをじらそうと
同級生と飲みに出かけても、あとあと面倒なことになりません。
これは、月子のことを受け止めきれない同級生が悪いのか
はたまた同級生に保護者役を要求してしまう月子が悪いのか
・・・どちらが悪いのかを考えると、きりがありませんが
とにかく月子さんは、似たような年代の男と相性が悪いのです。
それが上手く伝わってくる文章で、最後にセンセイと結ばれた時も、違和感がありませんでした。

今、結末をさらっと書きましたが、それはなぜかというと
私がお話の途中をすっ飛ばして結論を読んだ時には、泣けなかったのに
途中も丁寧に読んで、結末に行きついたときには、大泣きしたからです。
このお話は、結末が大事なのではありません。途中が大事です(きっぱり)

それと、お話を読むと無性に日本酒が飲みたくなります。
刺身と枝豆を用意してさあ日本酒・・・と思ったら
我が家の冷蔵庫には日本酒がほとんどありませんでしたorz
残念。

私自身は、恩師にそれほど入れ込んだことがありませんので
妙な感じではあるのですが、こういう関係も素敵だと思いました。
今から酒を飲みかわせる恩師って、なかなかいませんよね。。
私の場合、母校から遠く離れた場所に住み着いているので、さらに難しい感じがします。
この年になって、居酒屋である日ばったり先生に会う・・・ちょっと面白いです。
ばったりじゃなくてもいいので、センセイと酒を飲みかわせる機会があったら
今なら楽しいだろうな。





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