孫子・三十六計 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 [活字中毒のトモ]
孫子・三十六計 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)
- 作者: 湯浅 邦弘
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: 文庫
前にも孫子を読んでみた ところ、あまり面白くなかったようなのですが
(読んだ本人はあまり覚えていない。ブログに感想を書いておくと、本当に役に立ちます)
8 年経ってまた読みたくなったので、今度は別の人が書いた本を読んでみました。
孫子の兵法エッセンスを取り込んで、分かりやすく解説したのが
「三十六計」という兵法書だそうです。
著者は不明、という謎の書であるにもかかわらず、中国でよく読まれているとか。
この本ではまず、三十六計を解説した後で、孫子の十三篇を解説してくれています。
漢文と現代文、さらに別の詳しい解説まで書かれています。
たまにコラムや写真、図も入っていて、とても分かりやすいです。
孫子を最初に読む場合に、お奨めです。
自分で読んでいて思いました。この本を最初に読んでいたら
依然読んだ本の書評も違ったものになったはずです。
さて読んでみると、孫子にはきれいごとが一切出てきません。
きわめて現実的であり、また時として勝つためにかなり汚い手を使ったりもします。
これを読むと、少ない戦力と資源で強大な敵と戦うことがいかに無謀なことなのか
良く分かります。戦争をしようと思ったら、入念な準備が必要だし
周りに敵を多く作ってはいけないことも。
正義だけでは勝てないことが良く分かりました。
よく分からない教えも中にはあって、大軍を動かすときの食料調達方法として
現地での略奪が正しい、とあるのが意外でした。
今そんなことをしたら、世論が黙っていなさそうです。
これも私がそう思っているだけで、実際の戦地ではあたりまえのように
略奪が起こっているのであれば、今の世の中でも孫子の教えは健在
ということになりますが。
あと「臥薪嘗胆」のもとのお話が、これほど長く続いた戦争だったというのも
知りませんでした。私の頭の中では、夫差がお父さんの敵をとったところで
話は終わっていたのです。記憶というか、頭の中にとどめているメモリの
なんといい加減なことか。自分の記憶は頼りにならないというのも、よく分かりました。
おもしろかったので、他にも孫子に関する本をいくつか読んでみようと思います。
普段はあまり読まない歴史小説も読んでみようかしら。
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