SSブログ

魔女の宅急便(2) キキと新しい魔法 [活字中毒のトモ]


魔女の宅急便  2キキと新しい魔法 (角川文庫)

魔女の宅急便 2キキと新しい魔法 (角川文庫)

  • 作者: 角野 栄子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2013/05/25
  • メディア: 文庫


前作の最終話で、独り立ちしてちょうど 1 年経ち、里帰りしたキキでしたが
なんとなく自分の「ホーム」はコリコの町である気がして
実家に長居をせずにコリコへ帰ってきます。
その後も宅急便屋さんの仕事に精を出すキキでしたが
自分の運んだものが、受取人を不幸にする可能性に気づいたり
お客さんの要求が無理難題であったりして、だんだん考え込むようになります。
すると魔法にも迷いが出たようで、とうとうキキは飛ぶことができなくなってしまうのでした。

1 巻と比べて 2 巻はかなり奥が深いです。
キキの心も、お客さんの心も、入り乱れて
読んでいるこちらも、暗い気持ちになったり、驚いたりします。
お客さんの要望が、どれもこれも、重要なメッセージを含んでいます。
メッセージが重たいがゆえに、キキの心はかき乱され
飛べなくなったり、あるいは逆に励まされたり、ほうきで飛ぶがごとく乱高下を繰り返します。
成長するにつれて、物事を深く考えるようになる、キキの様子がよく表れています。

本書には短編が 16 話入っていますが、私が好きなのは次の 2 つです。

第 10 話: キキ、さんぽを運ぶ
第 11 話: キキ、赤い靴を運ぶ

どちらもキキが上手に飛べなくなっている間のお話ですが、お話に登場する老人
(第 10 話ではおじいさん、第 11 話ではおばあさん)が
キキに大変重要なメッセージを伝えてくれています。
それと、1 巻ではほうきで飛んでばかりいたキキでしたが
2 巻になると「魔女は飛んでばかりいないで、たまには歩いたほうがいい」という
台詞が何度か登場するようになります。
確かに、キキが飛ぶシーンと、歩くシーンとでは、時間の流れが違うように読めます。
そしてキキが歩いているときは、たいてい深く考え事をしているときのようで
思い悩み具合がさらに重たく感じられ、キキを応援したくなります。





nice!(23)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 23

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0