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大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 [活字中毒のトモ]


大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 (文春新書)

大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 (文春新書)

  • 作者: 池上 彰
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/10/20
  • メディア: 単行本


フリージャーナリストの池上 彰さんと、元外交官の佐藤 優さんの対談です。
テーマは「世界史」。こんな壮大なテーマ、どんな風にまとめるんだろうと思ったのですが
読み始めてみると面白くて、あっという間に読んでしまいました。
この本に書かれていることが真実だとすると、テレビから得る国際情勢は
実はあまり正しくなくて、背景である世界史をきちんと押さえておかないと
ロクな知識にならないようです。

2015 年 10 月発行の本なので、情報がそこそこ新しくて
国際情勢がこれからどうなるのか、なんとなく分かります。
池上さんと佐藤さんによると、中東はアメリカが本格的に介入しないので
国ではなく宗派と民族による争いが激化する可能性があるとのことです。
その結果、まったく新しい国が登場する可能性も否定できないとか。
どうも今の時代は、のちの世界史の教科書には
「ここが歴史の転換点だった」と書かれるような、
まだ名付けられていない新しい時代の入口であるようなのです。

中東情勢と、トルコ、中国、アメリカとロシア、ドイツ
そして沖縄について分かりやすく「どういう歴史があったから今こうなっているのか」
が解説されていて、非常に為になりました。
私は一応、大学で国際関係学を専攻しましたし、
新聞も割と読んで、背景を調べるほうなのですが、
それでもこの本で初めて知った情報は多かったです。
いかに日頃の情報収集が甘いかというのを、思い知らされました。
文庫だから場所も取らないので、売らずに家に置いておこうと思います。

また本書で池上さんは、「大学ですぐに役立たないことを学ぶのは大切だ」と書いておられます。
それ是非、企業の偉い人に言い聞かせてくれないかしら。
今の企業は、大学を出てすぐに「使えるやつ」ばかり採用したがるので
大学もそのニーズに応えざるを得ないし、子供を大学に行かせる親だって
卒業後就職できる大学の方がいいに決まっているので、必然的に現状が生まれているのですが
「役に立たないことを学ぶのは大切だ」という鷹揚なスタンスが通用するようになれば
もうちょっと人を育てる大変さを引き取ってくれる企業も増えるかもしれないなと思いました。



大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 (文春新書)

大世界史 現代を生きぬく最強の教科書 (文春新書)

  • 作者: 池上 彰
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/10/20
  • メディア: 単行本




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いっぷく

佐藤氏は1日10冊ぐらい本を読んでいるそうですね
私はその10分の1がせいぜいです。しかも束の薄めのもの。
by いっぷく (2015-11-29 05:44) 

うしこ

>いっぷくさん

佐藤さんの 10 分の 1 ということは、1 日 1 冊お読みになられるんですね。
いやそのスピード、うらやましいです。
しかも、読んでも内容を忘れがちなので、こうしてブログに書評を書かないと身につきません。。
by うしこ (2015-12-01 22:12) 

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