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キラキラネームの大研究 [活字中毒のトモ]


キラキラネームの大研究 (新潮新書)

キラキラネームの大研究 (新潮新書)

  • 作者: 伊東 ひとみ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/05/16
  • メディア: 新書


いっぷくさんの書かれた こちらの記事 を読んで、面白そうだと思って買ってみました。

パッと見ただけでは読めない、「常識」では考えられない名前のことを
キラキラネームというのは、もう「常識」として定着しているようですね。
「キラキラネーム」で検索してみると、「ベスト・オブ・キラキラネーム」を決める投票が行われていたり
赤ちゃん命名辞典 に当たり前のように「キラキラネーム」で 1 カテゴリ設けられていたりします。
キラキラしてても良いという価値観が広がりつつあるのかしら?

本書の内容も、キラキラネームに肯定的です。
著者である伊東 ひとみさんは、この本を書く 5 年前にインターネットの記事で見た
「光宙(ぴかちゅう)」という名前に大変興味を惹かれ、
キラキラネームについて歴史を紐解いていきます。
新潮社のサイトで 伊東さんの略歴 を見ましたが
奈良女子大学の理学部を卒業され、
古都の歴史的風土に触発されて奈良新聞社文化面記者になり、
その後雑誌・単行本の編集者を経て文筆家になられたと書いてあります。
なるほど・・・リサーチをきちんとされる方のようです。あと歴史好きなんですね。
そういう背景をお持ちの人だからこんなふうに、
調べた結果を 1 冊の本にまとめ上げられるんですね。
私も文学部にいたなら、こういう卒論書きたかったかも、と思いました。

この本によると、キラキラネームは今に始まったことではなく
昔からずっとあったらしいです。
織田 信長は、息子たちの幼名を「酌」とか「縁」とかにしていたらしいですし
吉田 兼好は徒然草の中で、やたらと凝った名前を付ける人のことを批判したそうです。
森 鷗外はすべての子どもに、ドイツ風の読み方と感じの知識にこだわった名前をつけたとか。
もしかしたら周りの人はそれを聞いて「えー?」と思ったかもしれませんが
そういう人はいつの世にも一定数いたようです。
鷗外には、漢字の背景について相当な知識があったけれども、
現代の一般的な親にはそれがない。今と昔の違いはそれだけではないか?ということでした。
それに名前だけではなく、名字や地名なども、当字が非常に多いことも指摘されています。

これを読んで、お役所がキラキラネームをあっさり受理してくれる理由が分かった気がしました。
昔から、名前ってそういうもんなのですね。
かくいう我が家も、娘の名前をつける時に、読みやすい漢字を探したところ
いい字がなくて、ちょっと読みづらい名前になってしまいました。
ですが市役所に届出をした夫いわく「あっさり受け付けてくれた」らしいです。
娘の通う高校の生徒一覧を見ても、読めない名前ばかり並んでいます。
役所的にはそれで OK で、あとは周りの人がどういう反応をするかだけのようです。

昔はインターネットがありませんでしたから、奇抜な名前も
今ほど多くの人の目に留まることはなく、大々的にたたかれたりしなかったと思います。
今はたくさんの人がその名前を目にすることができるし、ある程度自由にものを言えるので
バッシングのインパクトも大きいのだと思います。
広範囲でオバチャンが噂話をしている状態?これをもうちょっと節度ある状態にしようと思ったら
やっぱり自由が制限されてしまうんでしょうね。あきらめるしかないんでしょうか・・・。



キラキラネームの大研究 (新潮新書)

キラキラネームの大研究 (新潮新書)

  • 作者: 伊東 ひとみ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/05/16
  • メディア: 新書



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いっぷく

やっぱりひとサマの名前に侮蔑のレッテルを貼るのは
失礼ですよね
by いっぷく (2016-01-17 15:11) 

うしこ

>いっぷくさん

はい、失礼ですし品がないと思います。
不特定多数の見るネット上だからこそ、言葉は選ぶ必要がありますね。

興味深い本をご紹介くださり、ありがとうございました。
by うしこ (2016-01-19 23:12) 

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