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フォース・ターニング [活字中毒のトモ]



メルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」の発行者、北野 幸伯さんが薦め、
監訳が戦略学者の奥山 真司さんときたら
買わねば・・・と思って買ってみましたが、なんだか読みにくい本でした。

そもそもこの本は、もともとアメリカで 1997 年に出版されたようです。
そして、20 年の年を経て、日本語化されました。
何が興味深いって、この本の中身は、ざっくり書いてしまうと政治経済のサイクル理論なのです。
20 年で世代交代が起こるたびに、世の中も大きく変わっていくというお話。
それで、出版から 20 年経った今、この本に書かれていたことは、当たったの?外れたの?

読んでみても、あまりよく分からなかったのです。
というのも、この 20 年の波を表す表がめちゃめちゃ分かりにくくて
一体何を説明したかったのか、一読しただけではさっぱりでした。
というわけで、自分が理解できるように、おさらいのつもりでこの記事を書いています。

歴史上で起こった出来事にはパターンがあって、英米社会ではおよそ 20 年ごとに
新しい時代がやってくるそうです。そしてその節目は大まかにいうと 4 つあって
それらが一通りやってくると、また元の時代に戻ると・・・つまり循環しているそうです。
ただし時代はきっちり 20 年で移り変わるというわけではなくて(そりゃそうですよね)
誤差も合わせると、1 循環終わるのに大体 100 年くらいかかるそうです。
なぜかというと、人の一生がだいたそれくらいで終わるから、とのこと。
1 つの節目を 1 世代が担うわけで、世代交代が起こるたびに、節目も変わるそうです。

本書によると、これまで 5 つの循環を経ているそうです。

序盤: イタリア戦争から始まった循環(1494~1568)
第 1 の循環: オランダ独立戦争から始まった循環(1568~1672)
第 2 の循環: スペイン継承戦争から始まった循環(1672~1792)
第 3 の循環: フランス革命とナポレオン戦争から始まった循環(1792~1914)
第 4 の循環: 第 1 次、第 2 次世界大戦から始まった循環(1914~)

でも循環が始まるのは戦争が起こった時、とか言いながら
循環がスタートするのは戦争が終わった後からのようです。
計算合ってるか?そこが合わないから、何を言っているのか分からなくなったんですね。
循環が終わるきっかけが戦争で、それは第 4 の節目に起こるけど
新たな循環が始まるのは、戦争が終わった後って言ってくれれば、分かりやすいのでは?

4 つの節目は下記のとおりです。

1. 高揚(現在の節目では 1945~1964)
季節で表すと春。制度が強まって、個人主義が弱まる上昇的な時代。
新しい社会秩序が浸透して、古い価値による制度が崩壊していきます。
「預言者」の世代が生まれる節目。彼らの外的人格(ペルソナ)は伝道師。

2. 覚醒(現在の節目では 1964~1984)
季節で表すと夏。精神面での激変が起こる、情熱的な時代。
既存の社会秩序が、新しい価値観による制度から挑戦を受けます。
「遊牧民」の世代が生まれる節目。彼らの外的人格(ペルソナ)は喪失。

3. 分解(現在の節目では 1985~2007?)
季節で表すと秋。個人主義が強化されて制度が弱まる下降的な時代。
古い社会秩序は衰退して、新しい価値観による制度が植え付けられます。
「英雄」の世代が生まれる節目。彼らの外的人格(ペルソナ)は兵士。

4. 危機(現在の節目では 2008?~2026?)
季節で表すと冬。社会が激変を迎える決定的な時代。
古い価値観が新しいものと代わり、社会秩序の変化を推進します。
「芸術家」の世代が生まれる節目。彼らの外的人格(ペルソナ)は沈黙。

ただし、外的人格(ペルソナ)は、必ずしもぴたりと一致するわけではなく
違う外的人格(ペルソナ)が当てはめられることも多いようです。
他にも「ベビーブーマー」とか「第 13 世代」とかありました。

私たちは第 2 次世界大戦が終わった時から始まった第 4 の循環を生きていて
今「4. 危機」の段階にいるそうです。
この本では「3. 分解」が 1980 年代半ばから始まって、
2000 年代半ばに終了することになっている、と書いてありましたが
「4. 危機」に入ったのはいつなんだろう?2008 年のリーマンショックあたり?
そうだとすると、本書では「4. 危機」が終わる年は 2026 年と予測されていましたが
誤差も考えて 2030 年くらいまでは、世界の情勢は不安定で
いつどこで戦争が起こっても仕方がない時代であると考えていいかもしれません。
でも「4. 危機」の時代に登場した新しいアメリカの大統領がトランプさんということは
今後アメリカはどのような社会になるのか、ちょっと想像がつきませんね。

ただ、現在は「遊牧民」の世代が政治の表舞台に出て頑張っていて
年老いた「預言者」の世代がそれを助けてくれるか、どうなのか?
という時代であるようです。
ルーク・スカイウォーカーを助けてくれるオビ・ワン・ケノービみたいな人がいるのか
白雪姫の継母みたいに足を引っ張る人が出てくるのか
そこもよく分からなということで・・・予測って本当に難しいです。
私は「遊牧民」の世代ですが、この世代はサバイバル能力が高いそうです。
社会が本当に危機である時代に、中年期に差し掛かるからだそうです。
私たちは、年老いた芸術家が放棄した
家族とコミュニティの儀式を再構築する役割を担うそうです。本当か?



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