SSブログ

世界は贈与でできている [活字中毒のトモ]


世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング)

世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング)

  • 作者: 近内悠太
  • 出版社/メーカー: ニューズピックス
  • 発売日: 2020/03/11
  • メディア: Kindle版


哲学研究者の近内 悠太さんの著書です。
お金では買えない「贈与」について、哲学的に熱く語られています。
贈与の原理とウィトゲンシュタイン哲学(言語の本質を明らかにした哲学らしい)
を理解することで、世の中の成り立ちを知ろう、というのが本書のテーマだそうです。
難解ですね。
読了しましたが、私は結局、贈与の原理も分からなかったし
ペイ・フォワード」のトレバー少年がどうして最後に死ななくてはならなかったのかも
理解できませんでした。

贈与が無償だというのはその通りと思いますが
無償の愛は必ず「前史」=プレヒストリーを持っているべきで
プレヒストリーなき贈与は必ず疲弊し、自己犠牲という悲劇を生むのだそうです。
うーん・・・確かにそうかもしれないけど。

被贈与という「元手」を持たないトレバーは未来(つまり自分の命)と引き換えに、
他者へと善意のパスを渡したので
俗人は、受け取った贈与に気づき、その負い目を引き受け、その負い目に衝き動かされて、
また別の人へと返礼としての贈与をつなぐことしかできないのだそうです。
つまりペイ・フォワードは、贈与の物語ではなく贈与の失敗の物語であり
トレバーは、自らが起源であると暴露してしまったがゆえに、
贈与に失敗して命を落とすはめになったのだと。

これが真実だとすると、誰かに贈与してもらわないと、
贈与できないってことですかね。元手のない贈与は、死を招くほど悪いことなの?
何度考えても分からないです。
いいことしているのに、どうして死ななくちゃならないのでしょうか。
見返りのない贈与だって、あったっていいじゃないか。
本人がしたいというのなら。



世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング)

世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング)

  • 作者: 近内悠太
  • 出版社/メーカー: ニューズピックス
  • 発売日: 2020/03/11
  • メディア: Kindle版



コメント(0) 
共通テーマ:

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント