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任侠楽団 [活字中毒のトモ]


任侠楽団

任侠楽団

  • 作者: 今野敏
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2022/06/21
  • メディア: Kindle版



義理人情に厚いヤクザの親分阿岐本に、弟分である永神が
今回持ち込んだ話は、なんと「イースト・トウキョウ管弦楽団」という
オーケストラのもめ事を解決するコンサルティング。
もめ事を解決するのにコンサルティングなんか雇うのか?普通。
余計もめそうな気がしないでもありませんが、そこはそれ。
2 週間後に定期公演を控えている大事な時期に、
楽団内が真っ二つに割れて揉めていると言います。
ただのヤクザ(のはずの)阿岐本が、いったいどうやってそれを解決できるのか?

本作初登場の、警視庁捜査一課の刑事、碓氷(うすい)さんは、
なんとなくこれからも、ちょいちょい登場しそうな予感がしました。
阿岐本親分は、楽団のステージ・マネージャーの静香さんをたいそう気に入って
「日村とお似合いじゃないか?」とか言っていたようですが
静香さんは碓氷さんとは逆に、もう出てこない気がしています。
そういえば日村さんて、いくつぐらいの人なんでしょうね。
今作で 6 つ目ですが、日村さんの年齢は、はっきり出てきたことがないと思います。
苦労人で、後輩を厳しくしつけなくてはと思いながらも
ついつい甘くなりがちな日村さん・・・もしかして、私と同じくらいの年齢?
同級生だと言われても、なんとなく分かる気がします。
その日村さん、今作ではいつにも増して、心配していることが多かった気がします。
自分にはなじみのないものを立て直すのはいつものことですが
学校や銭湯ぐらいは、いくらなんでも生まれてから 1 回くらいは行ったことが
(学校はさすがに 1 回なんてことはないと思いたい)あると思いますが
オーケストラは本当に、未知の世界だったかも。
そのせいか、阿岐本が事件を解決できるかどうか、いつにも増して心配し
自分であれこれ、悪い結末を考えて、一人で暗い気分になっている日村さん。
彼の様子を読んでいると「大丈夫よー」とつい声をかけてあげたくなります。
そしてお話が終わるとやっぱり大丈夫であったことに安心し
現実の世の中もそうであるといいな、と思ったりするのでした。



任侠楽団

任侠楽団

  • 作者: 今野敏
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2022/06/21
  • メディア: Kindle版



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